共育システム研究所の場所は同時に安穏庵という茶事をしている場所でもあります🍵
茶事は単なるお茶会ではなく、お茶・食事・もてなしの作法を通じて、茶道の精神を深く味わう場です。
安穏庵の茶事は、茶道未経験の方にも気楽に茶事を楽しんでいただきたい、という思いのもとに、全国でも珍しい「解説付きの茶事」を開催しています。
茶道経験者も未経験者も、一期一会の精神でどうぞ喧騒を離れたひとときをお楽しみください。
茶事の流れ(基本的な構成)
一般的な茶事は、以下のような流れで進みます。
1. 寄付(よりつき)
客はまず待合(まちあい=寄付ともいいます)に集まり、心を落ち着けます。亭主(茶事を主催する人)が迎えに来たら、手水(ちょうず)で手と口を清め、茶室へ向かいます。
2. 席入り(せきいり)・炭点前(すみてまえ)
茶室に入った後、まず掛物や床の間のしつらえを拝見します。炉の季節(11月~4月)には、最初に「炭点前(すみてまえ)」が行われ、亭主が炉に炭をくべて火を整えます。これは茶室を温め、後の濃茶を美味しく点てるための大切な準備です。また風炉の季節(5月〜10月)は、お料理の最後に炭点前があります。暑い季節には、お食事どきに室内の温度が上がりすぎないようにとの配慮です。
3. 懐石(かいせき)
お茶をいただく前に、食事が振る舞われます。懐石料理は茶の湯のための食事であり、旬の食材を生かした献立です。お酒がふるまわれ、最後に「湯桶(ゆとう)」と「香の物(こうのもの)」で締めくくられます。
4. 中立(なかだち)
懐石が終わると、一度客は席を立ち、寄付に戻ります。その間に亭主は茶室の準備を整えます。鐘の音もしくは銅鑼の音によって、席が整ったことが知らされると客は改めて茶室に入ります。
5. 濃茶(こいちゃ)
茶事の中心ともいえる濃茶の時間です。客は一つの茶碗を回しながら濃茶をいただきます。これは、亭主と客が心を通わせる大切なひとときであり、茶道の精神が最も表れる場面です。
6. 薄茶(うすちゃ)
最後に、軽やかな薄茶がふるまわれます。一人ひとりに茶碗が用意され、和やかな雰囲気の中で締めくくられます。
7. 退席
お茶をいただいた後、客は亭主に感謝を伝え、静かに茶室を後にします。
茶事の魅力とは? ー その本質に迫る
茶事は、ただお茶を楽しむ場ではなく、「もてなし」と「調和」を極めた日本文化の結晶です。そこには、亭主と客がともに時を分かち合い、心を通わせるための深い精神性が息づいています。
茶道では「一期一会」という言葉が大切にされます。これは、「今日のこのひとときは二度と繰り返されることのない、かけがえのないもの」という考え方です。亭主は、道具の取り合わせ、茶室の設え、食事の献立に至るまで、客のことを思いながら準備をします。そして客もまた、その心を受け取り、丁寧に振る舞います。こうしたやりとりの中で、互いの存在を尊重し、深い「調和」が生まれるのです。
さらに、茶事には「簡素の美」「静寂の美」があります。華美なものを排し、余計な言葉を省くことで、本当に大切なものに心を向けることができます。茶室に一歩足を踏み入れると、日常の喧騒を離れ、静かに自分自身と向き合う時間が流れます。その静寂の中で、炭のはぜる音や湯が沸く音に耳を澄ませ、茶の香りや器の手触りを感じることで、五感が研ぎ澄まされていきます。
このように、茶事は単なる作法や形式にとどまらず、亭主と客が一体となり、自然や時間と調和しながら、心の奥深くに響くひとときを紡ぎ出すものです。それこそが、茶事の本質であり、最大の魅力といえるでしょう。